最近、少し話題になっている授業システムがあるらしい。
小~高までの授業を対象にしたシステムである。 大学では意識せずとも、当たり前のように存在する授業形態かもしれない。 例えば28人クラスなら、4人づつのグループに分ける。 まず先生は大まかな方針を立てる。 例えば「数学の二次関数の問題」「理科の気象の問題」「問題集P67~73まで」などである。 その方針に従ってグループは、グループ独自で自由に問題を解く。 4人中1人が間違っていれば、正解者が間違った人のミスを注意すればいい。 4人中3人が間違っていれば、先生を呼んでミスを注意してもらう。 先生も先生で、常に受動態ではなく、グループ間をうろうろしながら、ミスがないか確認する。 時にはいきなりグループに問題を出し、その解答を確認する。 今までも似たような授業はあった。 例えば、自習時間、などといって個々好きなように問題を解かす授業だ。 それをこの場合は、個人、を、グループ、とした点が主たる違いだろう。 僕はこの授業システムを教師志望の知人から聞いた。 彼曰く、この授業方法は現代の子供たちに向いている、のだそうだ。 上下の繋がりが弱くなった現代は、それと反比例するように横の繋がりが強くなった。 そのため、個人を注意するのではなく、グループを注意すると素直に聞いてくれるのだそうだ。 個人を注意しても、煙たがられることが多いらしい。 「オレはこの授業システムを良いとは思えないな」 「なんで?」 「これじゃ個性が作れないと思う」 「個性って何だよ。そんな簡単に失うもんじゃないと思うぞ」 「いいや、失う」 「なんで?」 「確かに、最近の若者の性質を逆手にとった効率の良い授業形態かもしれない。だけど、まずオレは、最近の若者が良いとは思えない」 「じゃあどんな若者が良いと思えるんだ?」 「さっき、横のつながりが強くなった、と言ってたが、そんな他人に左右されるようなのじゃダメだ。何が必要か、それを自分で判断できるように育てていくべきだと思う。この授業形態だと、他人の意見に同調することが正しいと思ってしまうかもしれない」 「・・・確かにそうかもしれないけど、オマエはいつも現実を見てないんだよ。逆に、個性?を育てるような教育がどういったものなのかを教えて欲しいね。そんな理論めいたことより、結果を出せれば何でもいいんだよ」 「個性を育てる?オレはそんなことは言ってない。オレは、個性を作る、ことが重要だと思ってる。個性の作成は本人でしか成しえない。だから教育者が出来ること、大人が子供に出来ることは、ただ環境を与えるだけなんだ」 「教育者が出来ることは環境を与えるだけ、ってのは判る。だけど、教育者は子供に教育しないといけない。それが環境の一つだからね。その教育の方法を聞きたいんだよ」 「オレはオマエがさっき言ったように理論ばかりだ。抽象理解ばかりで、具体案は持たない。だから具体案を知りたければ自分で考えるしかない。オレはただ、抽象的なレベルでしか話さない」 「勝手なやつだな」 「そうしないと、個性が作れない」
by xtu_ltu9981
| 2010-08-29 11:32
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