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だぁちゃっちゃー、だぁたったー

「まるで日本を応援してなかったみたいな言い方だな」
「うーん。確かにオランダ戦はオランダを応援するつもりだったけど、やっぱり日本を応援したよ」
「けど君はさっき、日本が負けてくれてよかった、と言ったじゃないか」
「そう。僕が日本を応援してたのはコミュニティとしての性なんだ。僕の本心じゃない」
「やっぱり本当は日本を応援してなかったのか」
「いや、応援してたよ。コミュニティの性としてね。もう一度言うけど、僕は日本代表が嫌いというわけじゃないんだ。日本代表のサッカーが嫌いなんだ」
「よく判らないんだが?」
「そうだな・・・日本は負けるべくして負けたんだ。もし負けるべきなのに勝ってしまったらどう思う?」
「考え方が間違っていたんだろ」
「そうだ。だからそうなると、僕が思っていたサッカーとは違うサッカーになる。日本が勝った場合のサッカーはつまらない」
「けど強いチームが勝つんじゃなくて、勝ったチームが強いんだ、って誰か偉い人が言ってただろ」
「ベッケンバウワーね」
「そうなら考え方を改めるべきなんじゃないか?ただ単に自分の考えを否定されるのが怖いだけなんじゃないか?」
「ほぉ、なかなか鋭いな。君に判りやすいように言ったのだがそれを逆手に取るとは・・・」
「どういうことだ」
「言い方を変えよう。こんな例がある。中田がローマに所属してたときの話だ」
「ほぉ」
「僕はその時ローマを応援してたんだ。監督は現イングランド監督のカペッロで、バティやトッティの個人技に頼るサッカーを展開していた。それでローマは優勝した」
「強かったんだね」
「うん、強かった。その後中田が移籍した瞬間にローマが嫌いになった。その後もローマは強かったけど、嫌いになったんだ」
「それがなんだ?」
「僕が日本代表に抱いてた感情もそうだ。日本というコミュニティにいるから日本を応援してしまうけど、もしそのコミュニティ性がなくなったら僕は絶対日本を応援しないよ。日本は負けるべきだ、と連呼していたはずさ」
「ふむ」
「勝ったチームが強いのは確かだろう。だけどそれは応援する理由にならないさ。僕には好きなサッカーがあって、それは今回のワールドカップで言えばスペインだったりドイツだったりが魅せてくれるけど、そういうチームに勝って欲しいんだ。もし日本が勝ったら僕はコミュニティの性として嬉しいだろうけど、一サッカーファンとしてはとても悲しい。こんなので勝てるスポーツなんて見る価値がない、と思うだろう」
「だから君は日本が負けてホッとしてるのか」
「そう、日本代表を応援したのはコミュニティとしての性だ。逆に日本代表は負けるべきだ、と考えたのは一サッカーファンとしての性だ」
「君の言いたいことがだんだん判って来たぞ。要するに日本のサッカーはつまらないってことだな」
「勝ったチームが強いのは大いに結構。元よりそうあるべきだ。だけどサポーターってのは強いチームを応援するんじゃなくて、勝って欲しいチームを応援するもんだろ。だから日本が勝てば悲しかったに違いないさ。こんなつまらないサッカーが勝つなんて僕のサッカー美学に反するってね。だけど勝って欲しかったのは何でだと思う?」
「さっきから言ってるコミュニティ性じゃないのか?」
「君は賢明だね。そう、コミュニティ性さ。愛国心とかそんなやつさ。僕もそういうものを持ってるんだ」
「だから何?」
「・・・君はそのことを最初に怒ってたんじゃないのか!」
「そうだっけ?」
「・・・はぁ、まぁいいや。ベッケンバウワーと同時代に活躍したクライフは、ワールドカップ優勝と最優秀選手賞ならどっちが欲しいかという質問にこう答えた」
「うん?」
「最優秀選手賞の方が欲しい。ワールドカップの優勝チームは魅力的だとは限らないけど、最優秀選手賞は世界一魅力的な選手に贈られる賞だから。ってね」
「もういいよ、その話はさ。判ったから」
「まぁ聞けって。要するに僕が言いたいことはそういうことなんだ」
「もういいって」
「サッカーファンとしての僕は魅力的なチームに勝って欲しいだけなんだ。その思いには結果なんて関係ないんだよ」



というような話をすでにこのワールドカップ期間中に何回しただろうか。
きっと3~4回程度だろう。
by xtu_ltu9981 | 2010-07-01 07:47


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